今日は、ビットコインの半減期についてです。
新たなビットコインはマイニングによって発行され、マイナーに報酬として渡されます。
一回のマイニングによって渡されるビットコインの額は、2018年9月現在で、12.5BTC。
この報酬の額は、実は、ほぼ4年毎に半減します。
これをビットコインの半減期といいます。
先日、二ユーヨーク投資会社PlaceholderのChris Burniske氏が、仮想通貨の価格動向に関する複数のツイートをしました。
その中に、ビットコインの価格と半減期の関連について触れています。
7/ Note that some of #bitcoin‘s biggest bull markets have come the year after the coinbase reward halving.
November 2012 = 1st halving, 2013 a monster year.
July 2016 = 2nd halving, 2017 a monster year.
Summer 2020 = 3rd halving, 2021 a ???— Chris Burniske (@cburniske) 2018年9月10日
訳すと…
これまで、大きな強気相場は、マイニング報酬が半減した後の年にやってきた。
2012年11月の最初の半減の後、2013年はMonster Yearだった
2016年7月の2回目の半減の後の2017年も
3回目は2020年の夏、2021年はどうなる?
2021年はちょっと先…
でも、気になりますよね?
ビットコインの半減期ってなに?
新しいビットコインを発行する方法…
それは、マイニングしかありません。
マイニングはブロックチェーンのブロックをつなぐための作業ですが、多大な計算を必要とするので、マイナーには報酬として新規のビットコインが発行されます。
2018年9月現在、マイニングに1回成功した場合の報酬は、12.5BTCです。
ですが、最初のブロック(=ジェネシスブロック)のマイニングに成功した際の報酬は、50BTCでした。
マイニング報酬の額は、21万ブロック毎に半減する仕組みになっています。
ですから21万回マイニングに成功すると、マイニング報酬の額が半減します。
マイニングの難しさは、確率的に約10分に1回マイニングに成功するように調整されていますので、
21万回 × 約10分 = 約4年
となり、半減期は4年となります。
これまでは、
2009年1月3日
最初のブロックが生成される マイニング報酬50BTC
2012年11月28日
最初の半減 マイニング報酬が25BTCに
2016年7月9日
2回目の半減 マイニング報酬が12.5BTCに
のように2回の半減が行われています。
今後は、
2020年 6.25BTC
2024年 3.125BTC
と続いていきます。
ビットコインの発行量の半減が、無限に続くわけではありません。
ビットコインの総発行数は2100万BTCと、その上限が決まっています。
現在までに、その80%以上が発行済ですが、上記の報酬額の半減により、発行のペースは徐々に遅くなっていきます。
予定通りであればすべてのビットコインが発行されるのは2140年頃と予想されています。
なぜ半減期があるの?
- マイニングの報酬としてのビットコインの発行量がなぜ半減するのか?
- ビットコインの総発行量そのものが、なぜ有限なのか?
これについては、ビットコインのインフレーションを避けるためであるようです。
この点については、発明者であるSatoshi Nakamoto自身が、最初のビットコインの論文で少し触れています。
無限に一定量のコインが発行されつづけることがわかっている場合、1BTCの相対的価値が下がってしまうことは容易に予想されます。
法定通貨であれば、各国の中央銀行が発行量をコントロールして、必要以上のインフレを回避します。
しかし、ビットコインは、その種のコントロールを行う中央機関を置かないのが、最も大事な原則ですので、半減期や発行総量の固定化が仕組みに組み込まれているのです。
半減期とMonster Yearの関係は?
さて、Chris Burniske氏のツイートに従って、当時のチャートを確認してみましょう。
ともにCoinDeskからのチャートの引用です。
まずは、一回目の半減があった2012年と、Monster Yearだった2013年
そして、2回目の半減があった2016年と、Monster Yearだった2017年
驚くぐらいよく似たチャートです。
もちろん、価格のスケールはだいぶ違います。
2013年末のピークは、1BTC=$1,000程度
2017年末のピークは、1BTC=$20,000近く
です。
確かに2013年の後半、2017年の後半はMonster Yearですね。
でも、どちらとも、マイニング報酬の半減からは、時間が経過しすぎている。
マイニング報酬の半減と、Monster Yearは無関係
と考えたほうがよさそうです。
まあ、Chris Burniske氏自体も、過去の半減期とMonster Yearの時間的な位置関係に言及しただけで、その間に因果関係があるといっているわけではありませんから、当たり前の結論かもしれません。
マイニング報酬の半減はビットコイン相場に影響するの?
では、4年に一度起こるマイニング報酬の半減が、ビットコイン相場に影響するかしないかと問われれば、影響する可能性があると答えるのが妥当でしょう。
以下の2点の影響が考えられます。
- 新規ビットコインの供給ペースが落ちるため、需要過多となりやすい。
- マイニング事業者にとっては、マイニング報酬の半減となるため、ビットコインの価格の維持、あるいは上昇のために、コインを買い支える動機となる。
ただし、マイニング報酬の半減は4年毎に起こる事象です。
いつ起こるかわかっていますので、早期から織り込んで相場は動くはず。
分かりやすい相場には、ならないように思えます。