最重要ファンダ「半減期」、間近に迫って盛り上がるライトコイン、1年後に向けて動き始めるビットコイン

さて、今日は最近話題に上ることが多い半減期の話。
ライトコインの半減期が近づき、その価格も他の仮想通貨より一段上のレベルで盛り上がっています。

でも、半減期は仮想通貨の基本的な部分に組み込まれた仕組み。
半減がいつ起こるかは事前に確定していますので、近づいたから上がるってのは短絡的に過ぎる。

今日は、もうちょっと引いた目で、半減期を考えてみましょう。

仮想通貨の半減期って何?

「半減期」は、もともとは物理学の世界の言葉。

放射性元素は、時間の経過とともに崩壊して別の元素に代わります。
放射性元素の集団が確率的に崩壊していき、半数が別の元素に代わってしまうまでの時間の長さ…
これが半減期です。

崩壊までの時間は元素の種類によって異なり、安定している元素ほど、長い半減期を持ちます。

これに対して、仮想通貨の半減期はだいぶ趣が違う…

仮想通貨の半減期とは?

仮想通貨では、新規の通貨発行量が半減するまでの時間の長さを、半減期と言います。

ビットコインを始めとする多くの仮想通貨では、マイニングの報酬として新規に通貨が発行されます。
そして、多くの通貨では、報酬として発行される通貨量が一定の期間を経ると、半減。
この期間が半減期。

例えばビットコインでは、ほぼ4年でマイニングの報酬が半減します。
マイニングで生計を立てているマイナー達への何の配慮もなく… 問答無用で…

「半減期」は、もともとは半減する期間を指す言葉ですが、新規の通貨発行量が半減するその瞬間も、「半減期」と呼んでしまいます。

ちなみに、英語では、block reward halvings …
こっちのほうが、本来の意味をちゃんと表している感じがしますね。

※半減期については、以前にも解説記事をupしています。

※また、マイニングとその報酬に関しては、以下の記事があります。

典型的な例:ビットコインの半減期

典型的な例として、ビットコインの半減期を見てみましょう。

2019年6月現在のビットコインのマイニング報酬は、1 blockあたり12.5 BTC。
ですが、最初のブロックが作られた2009年には、1 blockあたり50 BTCでした。
これまでに2012年、2016年の2回の半減を経て、現在に至っています。

報酬の半減は、その前の半減から210,000のブロックが生成されたときに、発生します。
ビットコインでは、10分に1回程度の頻度でブロックが作成されますので、半減期はほぼ4年。

そして次の半減は2020年5月の予定
マイニング報酬は6.25 BTCに下がります。

なぜ半減期が必要?

半減期は、市場に流通する通貨の量を制限するために存在します。
無制限に通貨が発行され、市場に大量に流通すると、通貨の価値が下がりますよね。
いわゆるインフレ。

インフレの発生を抑えるために、通貨の量をコントロールする仕組みが、半減期です。

一定の期間ごとに、発行量が半分に減っていく…
徐々に新規発行量は減っていくので、相対的に通貨の価値は上がっていく…
そういう通貨を作り出そうとしているわけです。

ドルや円のような、どこかの国の中央銀行が発行しているような法定通貨では、インフレが起きないように中央銀行が通貨の発行量をコントロールします。
ですが、仮想通貨の多くは、そういった中央制御の仕組みを排除。
その代わりの仕組みとして半減期があるのです。

ちなみに、仮想通貨の流通量を抑える方法は、半減期だけではありません。

例えばイーサリアムは、ハードフォークの際に、マイニング報酬の削減を行います。
※詳細は以下参照

また、BNBやTRONのように、通貨の焼却:バーンによって、一定量の通貨を使用不能にして流通量を減らすというやりかたもあります。
※こちらも詳細は以下参照

半減の到来は最重要ファンダ

半減期を持つ仮想通貨にとって、半減の到来は、ハードフォークと並んで最重要ファンダメンタルズです。
その理由は…

半減期が最重要ファンダである理由1
通貨の新規発行量が変わることによる価値向上の期待

半減が到来すると、新規の通貨発行量が減少します。
通貨が増えるペースが落ちるわけで、通貨の相対的な価値は上がる…
そう市場は考えることが想定できます。

実需らしい実需に乏しく、投資家たちが欲と思惑で限られたパイを奪い合うのがメインの、現状の仮想通貨の市場ですから、「そう市場が考える」ことは大きな影響力を持ちます。

半減期が最重要ファンダである理由2
マイニング報酬半減のマイナーへの影響

半減の到来は、マイナーにとってはマイニング報酬が半減することを意味します。
マイニングによるコストが変わらないまま報酬が半減しますので、これまで利益が出ていたマイニングが、半減の後は赤字に陥るかもしれません。

その結果、マイナーは、マイニング事業からの撤退を選択する可能性もあります。

Proof of Workは、独立かつ多数のマイナーの存在によって安全性が担保される仕組みですから、マイナーの減少は、安全性の低下を意味します。
著しく安全性が低下すれば、通貨の価値の低下につながります。

 

半減の到来は、時期が事前にわかっていますので、市場は、半減の前にすでにそれを織り込んで動きます。
半減が来たら、通貨の価格がいきなり上がったり下がったりするものではありません。

しかし、これほど内容が明確で発生時期が明確なファンダもありませんので、市場は確実に半減期を意識して動きます。
ですから、半減の到来は最重要ファンダなのです。

では、個々の通貨の価格が、半減期によってどのように影響を受けているかを、見てみましょう。

半減が迫り、盛り上がるライトコイン

2019年6月現在、半減期によりその価格が最も大きく影響を受けている通貨がライトコインです。

※ライトコインについては、以下で解説しています。

下図は、2019年初来のライトコインとビットコインの価格のチャートです。

ライトコインとビットコインの2019年初来のチャート

ライトコインとビットコインの2019年初来のチャート  coinmarketcap.comより

ライトコインの次の半減は、2019年8月予定。
半減に向けてライトコインの価格は、年初来順調に上がっています。

年初のライトコインの価格は30.46 USD、そして現時点までの今年の最高値が137.09 USD。
実に450%の伸び!!

同じ時期のビットコインの伸びが240%、イーサリアムが213%、リップルが133%
どれも伸びてはいますが、ライトコインが群を抜いた盛り上がりです。

さらに言えば、ビットコインの価格がずっと底這いしていた年初から3月までの間も、ライトコインは緩やかに上昇。
また、ビットコインの価格が5月末に一旦ピークを迎えて頭打ちになった後も、ライトコインはしつこく伸びています。

これがすべて半減が近づいていることによる効果かはわかりませんが、大きく影響していることは確かです。

ビットコインの半減期は1年後

ビットコインの半減期は210,000 block。
ほぼ10分に1 block作成されますから半減期は約4年、順調に推移すればオリンピックが来るたびに半減します。

次は、2020年の5月。
ブロックの生成は、ほぼ10分に1度になるように調整されているのですが、「ほぼ」ですから、詳細な日時は未確定。

ビットコインの価格と、半減期の関係については、USAの仮想通貨投資ファンドPantera Capital社が興味深いチャートを公開しています。

ビットコインの価格と半減期の関係

ビットコインの価格と半減期の関係  medium.comより

縦軸がビットコインの価格、横軸が時間。
横軸の時間を、マイニングの報酬額で区切っています。
2012、2016、2020で、マイニング報酬額が半減していることが分かります。

ビットコインの価格の形が、いつも見慣れているものと違いますよね。
左端の目盛を見てください…

$1、$10、$100 …
ひとメモリ10倍です。

ビットコインは立ちあがったばかりの資産クラスで、価値の上昇が激しい。
長期的なトレンドは、こういった目盛で見たほうが分かりやすいのです。

それにしても、この目盛で見て、右肩上がりの直線が引けるというのはすごいことです。
10年近くにわたって、指数関数的な伸びを続けているのですから。

このチャートを見ると、「半減が起こってからしばらくすると強いピークが来る」という傾向を見ることができます。
この点については、二ユーヨーク投資会社PlaceholderのChris Burniske氏の以下のtweetがシンプルで分かりやすい。

和訳すると…

これまで、大きな強気相場は、マイニング報酬が半減した後の年にやってきた。
2012年11月の最初の半減の後、2013年はMonster Yearだった
2016年7月の2回目の半減の後の2017年も
3回目は2020年の夏、2021年はどうなる?

 

また、上記のチャートを提示したPantera Capital社は、半減が起こる前のトレンドの変化点について、以下のように指摘しています。

We have seen a couple of these cycles where the tide begins to shift roughly a year in advance of these dates. Inflection points occurred 376 and 320 days prior to the 2012 and 2016 “halvings”, respectively. Taking their average of 348 days could indicate a bottom on June 10, 2019.

和訳すると…

このチャートから、半減が起こる日の約1年前にトレンドの変化が始まるというサイクルを読み取ることができる。変曲点は2012、2016の半減のそれぞれ376日、320日前。それらの平均をとれば、次の変曲点は今度の半減の348日前、2019年の6月10日となる。

本当に348日前が変化点になるかどうかは、後の検証を待つしかありませんが、少なくとも過去のチャートを見る限り、ビットコイン価格は、半減をめぐって以下のようなパターンで動くと考えられます。

  1. 半減が発生し、新たな半減期が始まる。
  2. 半減期の前半にビットコインの価格の盛り上がりが発生し、価格はピークを迎える。
  3. 半減期の中ほどまでにこの盛り上がりは沈静化し、価格の停滞期に入る。
  4. 次の半減の1年前にトレンドの変化が起こり、次のピークへ向けての助走に入る。

ただし、過去のチャートを見る限り…
ですが

まとめ

ビットコインの価格変動のベースラインは、上記のような半減期をめぐった潮の干満のようなサイクルかもしれません。

そして、ビットコインの価格変動は、仮想通貨全体に影響します。
その結果、ビットコインの半減期が、仮想通貨全体の動きに大きな影響を及ぼしている…

そう考えると、やはり半減期は最重要ファンダ。
常に意識しておくべきイベントです。