dAppsのプラットフォームTRONを解説 創設者のJustin Sunはどんな人?

今日はTRONについて掘ってみます。

TRONは、ブロックチェーン上で動く分散アプリケーション:dAppsのプラットフォーム。
イーサリアムやEOSとはライバル関係にあります。

創設者のJustin Sun氏の巧みな話題作りもあって、数えきれないアルトコインの中にあって、結構目立つ存在。
多少危なっかしいけど、目が離せない通貨です。

TRONってどんな通貨?

まずはTRONの基本情報から…

2019年5月時点でのTRONの基本情報

名称 TRON 通貨単位 TRX
時価総額 約1,768億円 時価総額ランク 11位
発行上限 990億TRX 発行済枚数 約660億TRX
公式サイト https://tron.network/ 公開 2017年
コンセンサスアルゴリズム Delegated Proof of Stake
TRONを扱う国内取引所 TRONを扱う取引所は国内にはありません

TRONはdAppsのプラットフォーム イーサリアムやEOSとはライバル関係

TRONは、ブロックチェーン上で動く分散アプリケーション:dAppsのプラットフォームです。
立ち上がり当初はイーサリアムのネットワーク上で動いていましたが、2018年6月に独自ネットに移行しました。

同種の位置づけを狙っているものとしては、メジャーなイーサリアム、そして時価総額ではTRONに先行しているEOSがあります。
イーサリアムが若干の停滞をしている中、TRONとEOSが差を詰めつつあるというのが、現在の状態。

イーサリアム、EOS、TRONなどのプラットフォームで動くdAppsのランキング情報を提供しているDAppRadarによれば、2019年5月現在、アクティブユーザ数ランキングのTop10のうち、TRON上で動いているものが4つ。
EOSが5つで、イーサリアムが一つだけ。

イーサリアムが押されつつある状態がよくわかります。

コンセンサスアルゴリズムはDPoS スーパー代表戦に投票すると報酬も

コンセンサスアルゴリズムは、Delegated Proof of Stake:DPoS

※コンセンサスアルゴリズムの比較に関しては、以下にまとめています。

氾濫するProof of Xをここらでまとめて解説 コンセンサスアルゴリズム編(PoW, PoS, PoI, DPoS)

27のスーパー代表がトランザクションを承認する仕組みです。
スーパー代表を決めるのは、TRXをステーク(TRONではフリーズという言葉を使います)した利用者による投票。
フリーズした量による重み付きの投票です。
6時間毎に投票結果が集計され、スーパー代表が入れ替わります。

この方式により、現在まだProof of Workで運用しているイーサリアムよりはるかに速いトランザクションの承認が可能になります。

この投票で面白いのは、スーパー代表候補者の多くが、投票者に対する報酬を出している点。
スーパー代表は、マイニング等の報酬としてTRXを受け取りますが、その多くの部分を投票者に還元しています。

例えば、2019年5月現在1位でスーパー代表となっているSesamiseedは、そのHP上で、

受け取った報酬の80%を投票者に還元する

ことを宣言しています。

買ったものの特に動かす予定のないTRXをお持ちのあなた…
投票しておきましょう。

TRONはどこで買える?

2019年5月現在、TRONを扱っている日本の仮想通貨取引所は、残念ながらありません。
Binanceなどの、海外系の取引所を利用することになります。

TRONの創設者 Justin Sun氏

TRONを立ち上げたのはJustin Sun氏。

中国系の起業家で、TRONの前にはRippleにかかわっていたらしい。
その後、TRON Foundationを立ち上げ、現在に至っています。
2018年には、分散ファイル共有サービスのBitTorrentを、1.2億ドルで買収。
まだまだメジャーには程遠かったTRONが、1億人のアクティブユーザーを持つサービスを傘下にしたことで、耳目を集めた買収でした。

Justin Sun氏の写真がこれ…

Justin Sun氏

Justin Sun氏

※いつも思うのだが、この人の写真はどれも美容院に行ったばかりな感じ。
こざっぱりしすぎな気が…

話題づくりがうまい人、でもちょっと危なっかしい…

Justin Sun氏は、話題作りのなかなかうまい人。
山ほどあるアルトコインの中で埋没しないためには、存在を印象付ける話題作りが最も重要ですから、彼の戦略は今のところ当たっています。

ただ、Justine Sun氏が提供するネタは、ちょっとフライング気味のものも多く、気を付けたほうがいい感も。

最近の主な話題を拾ってみると…

ステーブルコインであるテザーを、TRON上でも発行することを発表

いろいろ取りざたされているこの時期に、テザーにかかわることがよいのかどうかは、判断が難しいところ…

 

イギリスの名門サッカーチーム リバプールとの提携をいきなり発表

でもリバプール側は否定したらしく、ちと怪しい…

https://twitter.com/justinsuntron/status/1120927231587393536

イーサリアムとの提携を示唆

最近では、ライバル関係にあるイーサリアムとの連携話も、持ち出しています。

でも、イーサリアム側が応じるんでしょうか?
イーサリアムのVitalik Buterinに、お前のホワイトペーパーはイーサリアムのコピペだろ、とか言われてましたが…

Ctrl+C & Ctrl+Vは、新しいコンテンツ書くよりbetterだよね

って、なかなかにきつい言い回しです。

TRONは危なっかしいところが面白い

TRONの魅力は、dAppsのプラットフォームとしての優劣の面から語られることが多い。
でも、私はこの種の議論にいまいち納得できていません。

プラットフォームの性能としてはEOSと大きな差はないし、イーサリアムだって技術的な点は遅かれ早かれ改善するでしょう。
技術屋の私としては、技術の優劣は開発すれば何とかなることで、お金で解決できる話。
本質的な差に思えない。

それよりも、TRONの魅力はその危なっかしさにあるんじゃないですかね?

いきなり出てきたJustin Sunという若者が、周囲との軋轢は無視して、行けるところまで行こうとしている姿。
途中で転んで大けがをしてしまいそうなんだけど、もしかすると大化けするかもしれない。

そういうところにみんな魅かれてるんじゃないでしょうか?