国内仮想通貨取引所のレバレッジ縮小 4倍へ統一?

先日、Liquid by Quoineさんから、メールをもらいました…

現在Liquidでは、評価証拠期に対して最大25倍のレバレッジ取引が可能となっておりますが、2019年5月15日(水)午前11時以降は、新規発注時の最大レバレッジ倍率が4倍に変更になります。

25倍から4倍にレバレッジ縮小???

結構な下げ方だな。
そういえば最近同じような話を聞いたような…

と思って調べたら、ちょっと前にbitFlyerさんが告知してた。

現在、Lightning FXと Lightning Futures では評価証拠金に対して最大 15 倍(レバレッジ 15倍)の 取引が可能でございますが、2019 年 4 月 22日(月)の変更時刻以降、新規発注時の最大レバレッジ倍率を 4 倍に変更いたします。

こっちも4倍…

ってことは、4倍にする圧力がどこかからかかってる?
他の取引所も軒並み4倍に縮んじゃう??

少し調べてみました。

発端は自主規制団体のガイドライン

Liquid by QuoineさんとbitFlyerさんの動き…
これは、日本仮想通貨交換業協会(JVCEA:Japan Virtual Currency Exchange Association)の方針を受けた結果のようです。

同協会は、国内の仮想通貨業界の自主規制団体として2018年3月に設立され、同年10月には仮想通貨業界の指導的な自主規制団体として、金融庁からお墨付きをもらっています。

国内の主だった仮想通貨取引業者は同協会の会員となっており、Liquid by QuoineさんとbitFlyerさんも加盟しています。

同協会は、2018年の夏に

証拠金取引に関する規則
証拠金取引に関する規則に関するガイドライン

を発表しており、その中で以下のようにレバレッジのガイドを決めています。

証拠金取引に関する規則 第4条第2項

会員は、当面の間、次のいずれかの方法により証拠金率を定めるも のとする。
(1)協会が別に定める値
(2)当該仮想通貨価格又は仮想通貨指数の変動状況及び利用者に生じ た預託証拠金額を上回る損失(以下「未収金」という。)の発生状況等 を検証し、未収金の発生防止に適う値

そして「(1)協会が別に定める値」として

本号における協会が別に定める値については、当面の間、証拠金率を 25% 以上(証拠金倍率 4 倍以下)とします。

と規定しています。

Liqid by QuoineさんもbitFlyerさんも、この基準に合わせてレバレッジを4倍としたのです。

今後、日本仮想通貨交換業協会の会員である多くの仮想通貨取引所が同じ方針を出すことになるでしょうか?
取引所各社の信用取引のレバレッジについては、以下の記事でまとめていますが、全社4倍統一になると、この記事の意味がなくなるかもしれません。

仮想通貨信用取引(レバレッジ、FX)の基礎知識を解説 交換所比較

なぜレバレッジを低く規制するのか?

レバレッジは、少ない証拠金で大きな取引ができる仕組み。
レバレッジが大きいほど、少ない資金で大きな利益を期待することができる。

外為のFXのレバレッジは、各社大体25倍程度
これに対して、4倍に規制しようとする仮想通貨業界…
倍率だけをみるとだいぶ見劣りする。
少ない資金で大きな利益を狙おうとする利用者には、あまりうれしい話ではないはずです。

仮想通貨取引所にとっても、この規制はあまりうれしいことではありません。

仮想通貨取引所の収入の一つである取引の手数料は、多くの場合取引の金額によって決まります。
高いレバレッジで大きな金額の取引をしてくれたほうが、仮想通貨取引所は利用者に対してより多くの手数料を請求することができます。

また、4倍のレバレッジでは、市場として魅力がないとみられて、FX等の他の市場に利用者が流れる可能性も十分にあります。

では、なぜこんな規制をするのでしょう?

レバレッジの自主規制は投資家保護のため

レバレッジの幅を小さく制限する主な理由は、仮想通貨取引所の利用者である投資家の保護のためです。

大きなレバレッジは、さほど大きくない価格変動でも大きな利益が得られる可能性があり、魅力的です。
しかし、思惑とは逆に価格が動いた場合には、大きな損失となるリスクも同じぐらい存在する。
多くの利用者が、魅力のみを見て、リスクについて真剣に考えない。
そして、思わぬ損失をこうむります。

特に仮想通貨は、外為のFXなどの既存の市場と比較して、価格の変動幅が大きい。
よくボラティリティという指標で表現されますが、そんな指標を持ち出さなくてもチャートを見れば一目瞭然です。

例えば、USD/JPYの価格変動…
ここ最近の30日間(2019年2月23日から3月24日まで)で、1%以上の価格変動があった日は一日もありません。

これに対して、同じ期間のビットコインの価格は
1%以上の価格変動はほぼ毎日
3%以上の価格変動が11日

仮想通貨の中でビットコインは比較的値動きが安定しているにもかかわらず、
かつ、2017年から18年にかけての大変動の時期と比較して、今は市場が大きく動いていないにも関わらず…

仮想通貨がいかにリスクの大きい投資クラスであるかが分かりますね。

4倍というレバレッジの制限は、上記のようなリスクから投資家を保護するための措置として取られるものです。
4倍というレバレッジは、外為のFXの25倍と比較しても、リスクという観点かられ見れば決して小さくはありません。

レバレッジは4倍に統一されていくのか?

今後、各仮想通貨取引所がこぞってレバレッジ4倍にそろえてくると思われます。
一部の向こう見ずな取引所が反旗を翻すかもしれませんが、後ろに金融庁が控えていますので、あまり強い態度には出られないでしょう。

利用者の保護という観点からは、それなりに納得性のある措置ではありますが、正直言ってつまらない。
レバレッジをどう設定するかは、取引所の個性を決める重要な要素。
これを一律4%とかにしてしまうのはいかにも味気ない…

多くの利用者が、海外の取引所に流れるか、外為などの他の資産クラスに移行するか
そんなさみしい流れにはなってほしくないものです。