国内の取引所で取引可能な主要アルトコイン 分散アプリケーションの基盤3種(ETH、ETC、LSK)を解説

仮想通貨の取引をこれから始める方
あるいは、とりあえずビットコインは買ってみたけど…、
という方向けに、国内の仮想通貨取引所で取引できるなアルトコインを紹介するシリーズ…

ビットコインと同様に通貨としての用途がメインのアルトコインについては、以下で比較しました。

国内の取引所で取引可能な主要アルトコイン ビットコインの兄弟たち3種(LTC, BCH, MONA)を解説

これらの通貨とは異なり、単なる通貨となることを目的とせず、ブロックチェーンベースの分散アプリケーションのプラットフォームを目指す通貨があります。

イーサリアム… イーサリアムクラシック… リスク…

今日は、そういった通貨を掘り下げます。

国内仮想通貨取引所の取り扱い通貨比較表

まずは、国内の仮想通貨取引所で取り扱われている通貨の比較表です。

仮想通貨
取引所
B
T
C
E
T
H
X
R
P
L
T
C
B
C
H
E
T
C
X
E
M
L
S
K
M
O
N
A
その他
取り扱い通貨
bitFlyer
coincheck FCT
Liquid by Quoine QASH
bitbank
BITPoint
GMOコイン
DMMビットコイン
Huobi Japan
Zaif 左記以外に、zaifコインを含む、複数のトークンを取引可能

上記の表を見ると、国内の仮想通貨取引所で主に取引されているアルトコインは

  • イーサリアム  ETH
  • リップル  XRP
  • ライトコイン  LTC
  • ビットコインキャッシュ  BCH
  • イーサリアムクラッシック  ETC
  • ネム  XEM
  • リスク  LSK
  • モナコイン  MONA

の8種であることが分かります。

このうち、特に以下の3種は、単なる決済手段や価値の保持手段であることに飽き足らず、ブロックチェーンを基盤としたさまざまな分散アプリケーションを実現するための基盤となるために作られています。

  • イーサリアム  ETH
  • イーサリアムクラッシック  ETC
  • リスク  LSK

時価総額で言えば、イーサリアムがビットコインに次いで2位。
イーサリアムクラッシックは18位、リスクが40位。

同種のカテゴリには
イオス(EOS) 時価総額5位
トロン(TRX)  時価総額10位
がありますが、国内の取引所で扱われているのは上記の3種。
それぞれがなぜ別々に存在し、どう進もうとしているのか?
そのあたりも込みで、説明していきましょう。

※イオスについては以下でまとめていますので、お時間があれば…

EOS イーサリアム越えの高ポテンシャルが魅力【アルトコイン 次に何買う?(1)】

分散型アプリケーション DApps

個々の通貨の話に入る前に、まず分散型アプリケーション(= Decentralized Applications : DApps)について振り返っておきましょう。

DAppsって何?

DAppsは、制御を行う中央集権的なシステムなしに動作するアプリケーションのこと。

特定の国家や企業といった組織が運営するものではなく、そういう組織が提供する特定のソフトウエアシステムを信頼する必要もないアプリケーション。
インターネット上に広く流布されたオープンソースのプログラムを不特定多数の第三者が稼働させることによって自動的に秩序が保たれ、機能が提供されるアプリケーションです。

いずれかの組織やシステムに依存し、それを信用することを利用者に強いる必要のない、トラストレス。
企業や国といった境を超越して社会全体のインフラとなりえる仕組みです。
近いレベルの存在としては、インターネットそのものでしょうか…

最も成功しているDAppsはビットコイン

仮想通貨の領域で最も成功しているDAppsの例がビットコインです。

ビットコインには、特定の管理主体がいません。
どこかにビットコインの取引を管理している単一のコンピューターシステムがあるわけでもありません。

世界中にばらまかれたオープンソースのプログラムを、不特定多数が独立に稼働させることで、ブロックチェーンの仕組みができあがっています。
ブロックチェーンは特定のコンピューター上で動いていません。
世界中にある無数のコンピューターが、相互に協調・けん制し合うことでできています。

そのブロックチェーンの上で通貨というアプリケーションが動いているのがビットコインです。

残念ながら、ビットコインの場合は、通貨というアプリケーションと、その下支えになっているブロックチェーンが不可分な状態になっており、通貨以外のアプリケーションをブロックチェーンの上に作ることを困難にしています。
この点を解消して、様々なDAppsが共存するプラットフォームになるべく作られたのが、この記事で述べるイーサリアム、イーサリアムクラッシック、リスクです。

イーサリアム ETH

イーサリアムのロゴ

イーサリアムのロゴ  www.ethereum.orgより

2019年3月1日未明、2回も延期されていたハードフォーク(Constantinople)を無事終えて、一息ついた感じのイーサリアム。

時価総額2位。
ビットコインについでメジャーなポジションにいます。
最近少しリップルに押され気味ですが…

DAppsのプラットフォームとして作られた仮想通貨としては最も古く最も流通、同系統の仮想通貨のスタンダードを形作った功労者。
他の通貨は、イーサリアムの課題を解消する、あるいは、その未来の形を先取りする形で、自己のアイデンティティを主張しています。

2019年3月時点でのイーサリアムの基本情報

名称 イーサリアム 通貨単位 イーサ ETH
時価総額 約1.61兆円 時価総額ランク 2位
発行上限 設定なし 発行済枚数 約1.05億ETH
公式サイト www.ethereum.org 公開 2015年
コンセンサスアルゴリズム 現在はProof of Work
Proof of Stakeへの移行を予定
イーサリアムを扱う国内取引所 bitFlyer, coincheck, Liquid by Quoine, bitbank, BITPoint, GMOコイン, DMMビットコイン, Huobi Japan, Zaif

DAppsのプラットフォームとしての本質:スマートコントラクト

コントラクト = 契約  です。
ただし、スマートな契約。
どのあたりがスマートかというと…

  • 契約の内容がプログラム化されて、ブロックチェーン上に書き込まれ
  • 契約のプログラムは、条件がそろえば自動的かつ強制的に実行され
  • 契約の実行履歴やその結果がブロックチェーンに書き込まれる

契約というからよくわからなくなるのですが、要はプログラム。
ブロックチェーン自身が、プログラムの保持・実行・結果の蓄積の機能を持ち、どこかの中央集権的なシステムにたよることなく、だれも嘘の付けないセキュアなプログラムの実行が可能になる。

DAppsのプラットフォームとしてのイーサリアムの本質がこれ、スマートコントラクト。
スマートコントラクトの機能を使って、ブロックチェーン上で動くアプリケーションがDAppsです。

スマートコントラクトを実行するためには、イーサリアムにつながっている多くのコンピューターの資源を使う必要があります。
イーサリアムの通貨であるETHは、そのためのインセンティブとして使われます。

ERCトークンの発行

DAppsを作ろうとすると、そのアプリケーション上で金銭的価値に近いものをやりとりしたくなります。
どうしても、アプリケーション内で流通する通貨のようなものがほしくなる。

そのために、イーサリアムでは、各DAppsが独自のトークンを発行することができる機能を備えています。

イーサリアムのトークン発行機能は、Ethereum Request for Comments : ERCとして規格化されており、その規格がイーサリアム上に実装されています。

トークンのERCにはいくつか種類があります。
ERC-20、ERC-721、ERC-948…
それぞれ、トークンに持たせるべき機能が少しずつ違っています。

もっとも多く使われているのがERC-20

  • Binance Coin (BNB)
  • Maker (MKR)
  • VeChain (VEN)
  • OmiseGO (OMG)

などが、ERC-20を使って発行されたトークンです。

イーサリアムの仕組みを流用して簡単にトークンを作ることができるので、多くのICOプロジェクトがこの仕組みを使っています。

計画的なハードフォーク

イーサリアムの特徴の一つに、計画的なハードフォークによるバージョンアップがあります。

イーサリアムの最終的な形に至るまでに4つのバージョンが計画されており、現在はその3つ目のMetropolisへの移行が終了。

  • Frontier  2015年6月30日稼働
  • Homestead  2016年3月14日稼働
  • Metropolis
    2017年10月16日 第1弾 Bizantium実施
    2019年3月1日 第2弾 Constantinople実施
  • Serenity  未計画

Proof of WorkからProof of Stakeへのコンセンサスアルゴリズムの変更も、計画的なハードフォークによって行われます。

技術的な問題点の解消や、関連コミュニティ内合意を取るために、当初の計画と比較してスケジュールは遅れているようですが、丁寧にかつ着実に前に進んでいるようです。

イーサリアムのこれから

延期が重なっていたConstantinopleハードフォークを何とか終えたイーサリアム。
次のハードフォークであるIstanbulに向かって動き始めました。

イーサリアムは、開発のスタート時に関係者が考えていたであろうよりも、多くの時間がかかっています。
関係するコミュニティの賛同を得てアップデートする方針であるために、さらに一層時間がかかります。

ちょっともどかしい…
そうこうしてるうちに最近は、イオスやトロンに押され気味…

ですが、イーサリアムは着実に進んでいます。
ビットコインとの連携を可能にする技術も生まれました。

ビットコインとイーサリアムをつなぐWBTCローンチ その仕組みとインパクト

DAppsの世界は始まったばかり
まだまだこれからの通貨です。

イーサリアムクラッシック ETC

イーサリアムクラシックのロゴ

イーサリアムクラシックのロゴ  ethereumclassic.orgより

イーサリアムとよく似た名前のイーサリアムクラシック
イーサリアムとの間に、なんか因縁がありそうな…

ビットコインに対するビットコイン××のいくつかは、大小のもめごとの挙句にできてます。
イーサリアムクラシックも同じ。
イーサリアムのトラブルに付随したハードフォーク時にできた通貨です。

名前はクラシック
これこそが本家のイーサリアムで、今のイーサリアムはまがい物…
これがイーサリアムクラシックのアイデンティティです。

2019年3月時点でのイーサリアムクラシックの基本情報

名称 イーサリアムクラシック 通貨単位 ETC
時価総額 約520億円 時価総額ランク 18位
発行上限 2.1億ETC 発行済枚数 約1.09億ETC
公式サイト ethereumclassic.org 公開 2016年
コンセンサスアルゴリズム Proof of Work
イーサリアムクラシックを扱う国内取引所 bitFlyer, coincheck, DMMビットコイン

クラシックはイーサリアムから分かれてできた

イーサリアムクラシックができた原因となったもめごとは、名高い「DAO事件」と、その対処のためのハードフォークでした。

問題を起こしたのはドイツのスタートアップであるSlock.it
「The DAO」という名称の自立分散型投資のサービスをイーサリアム上で展開していました。

※ DAOという言葉は、Decentralized Autonomus Organizationの略。日本語に訳せば「自立分散型組織」。イーサリアム的なにおいはしますが、一般的な技術用語です。言葉には罪がない…

問題となる事件が発生したのは、2016年6月17日。
The DAOのサービスで動いていたスマートコントラクトのコードにバグがあり、このバグをついた攻撃により、350万ETHが不正に引き出されました。

この事件に対処するために、イーサリアムのコアの開発陣は、不正送金を無効化するハードフォークの実施を決定。
2016年7月20日にハードフォークを実施し、事態は短期間に収拾されたのでした。

しかし、この時のハードフォークに納得しなかったコミュニティがいました。

DAO事件の原因は、イーサリアムそのものではなく、The DAOのスマートコントラクトのコード。その対処のためにイーサリアムそのものをハードフォークするのは筋違い。
そんなことを一部の開発者が拙速に決めるは、中央集権的

とか、

どの取引を正規と認め、どの取引を認めないかはマイナーの役割。
それを一部の開発者が決めるのは、中央集権的

とか…

そしてハードフォークされたのちも、もとのブロックチェーンに残ったのです。
これが、イーサリアムクラシックになったのでした。

これがクラシックのアイデンティティのルーツ。

俺たちが本家のイーサリアム。
今のイーサリアムは中央集権のまがい物。
となるのも、わからんでもない…

何がイーサリアムと違うの?

上記のような経緯ですので、基本的な仕組みはイーサリアムと同じ。
時間の経過に伴い、独自の変更が加えられています。

  • イーサリアムにはなかった発行上限、半減期が設定された
  • クラシックは、PoWからPoSへの移行はしない方針

ですが、大きく異なってしまったのは、そのネットワークの規模でしょう。

例えばイーサリアムとイーサリアムクラシックのハッシュレートを比較すると、2019年3月の時点で

  • イーサリアム  約150TH/s
  • イーサリアムクラシック  10TH/s以下

実に15倍以上の差があります。

コンセンサスアルゴリズムがPoWである限り、ハッシュレートの大きさは、ブロックチェーン安全性に大きく影響するのは必至。
実際に、イーサリアムクラシックは、2019年にはいって51%攻撃を受けて、仮想通貨取引所が取引を一旦停止するトラブルが起きています。

イーサリアムクラッシックのこれから

イーサリアムとの間に大きく水を開けられた感のあるイーサリアムクラシック。
51%攻撃の件を始めとして、ここのところネガティブなニュースが多い印象。
開発チームが資金難で活動を停止するという話も…

イーサリアムクラシックを取り巻く状況は、なかなかに厳しそうな印象です。

リスク LSK

リスクのロゴ

リスクのロゴ  lisk.ioより

日本語でリスクというとネガティブな意味を思い浮かべますが、それはスペル違いです。

もともとあったCryptiという仮想通貨プロジェクトからハードフォークして、2016年にできました。
当時のICOで14,000BTCを調達して驚かれた通貨です。

もちろんDAppsのプラットフォームとなることを狙っており、スマートコントラクトやトークン発行の機能を備えています。

2019年3月時点でのリスクの基本情報

名称 リスク 通貨単位 LSK
時価総額 約164億円 時価総額ランク 40位
発行上限 設定なし 発行済枚数 約1.3億LSK
公式サイト lisk.io 公開 2016年
コンセンサスアルゴリズム Delegated Proof of Stake
リスクを扱う国内取引所 bitFlyer, coincheck

イーサリアムの今後を先取りしたような特徴

リスクは、イーサリアムより後に出てきたこともあり、イーサリアムの課題ともいえる点の多くを先取りして解決しています。
DAppsにとって、イーサリアムより使いやすいプラットフォームであること…
これが、リスクの存在意義です。

そういった特徴のいくつかを説明していきましょう。

サイドチェーン

リスクの最も大きな特徴は、メインのブロックチェーンのほかにサイドチェーンを作ることができる点です。

ブロックチェーンの安全性を維持しながらDAppsを動かすには、膨大な計算が必要。
DAppsを動かすのに高い処理コストがかかったり、DAppsの機能性の低下を招きます。
この点は、イーサリアムでも大きな課題として顕在化しています。

リスクは、サイドチェーンの導入によって、この問題を解決します。

サイドチェーンは、メインのブロックチェーンとつながりながら、独立に動くブロックチェーン。
リスクでは、DAppsごとにサイドチェーンを作り、DAppsに関する処理は対応するサイドチェーン上のスマートコントラクトで実行します。

この方式には以下のようなメリットがあります。

  • サイドチェーンで処理するのは特定のDAppsに関する処理なので、処理が軽い
  • DAppsにかかわるブロックチェーンのカスタマイズがサイドチェーン内で可能であり、メインチェーンに波及しない
  • サイドチェーン問題が発見された場合に、サイドチェーンを切り離せば、メインチェーンに影響しない

 

コンセンサスアルゴリズム Delegated Proof of Stake : DPoS

リスクのコンセンサスアルゴリズムは、Delegated Proof of Stake
参加者の投票によってブロックの承認者を決める方式です。
投票は、一人一票ではなく、通貨の保持量による重みづけが行われます。

結果として、DPoSは、PoSの考え方を流用した間接民主制のようなコンセンサスアルゴリズムとなっています。

ブロックの承認ができる代表者は101人。
この101人を投票によって決めるのです。

DPoSは、Proof of Workと比較して、無用に計算資源を使用しません。
コストにも環境にも優しいアルゴリズムです。

※コンセンサスアルゴリズムについては、以下で比較しています。

氾濫するProof of Xをここらでまとめて解説 コンセンサスアルゴリズム編(PoW, PoS, PoI, DPoS)

リスクのこれから

DAppsのプラットフォームとして、リスクは走り始めたばかり。
まだまだ実績と呼べるものが少ない印象は、否めません。

それゆえに、これからの期待も広がります。
イーサリアムと比較してコミュニティも小さく、野心的な技術をいろいろ試すことができるのが強み。

2018年9月のCore 1.0ローンチ以来、ここのところ大きなニュースが入ってきませんけれども、忘れちゃいけない通貨です。

どこの仮想通貨取引所を使う?

イーサリアムはどこでも買える

DAppsをひっぱるのは、やはりイーサリアム。堂々のブランド力
ビットコイン同様、国内のどの仮想通貨取引所でも、取引可能です。

それに比べると、イーサリアムクラッシックとリスクの知名度は大きく落ちる。
対応する取引所もbitFlyer, coincheck, DMMbitcoinあたりから、選ぶことになります。

仮想通貨取引所選びの他の観点

どこの取引所を使うかを検討する観点は、扱う通貨の種類以外に様々なものがあります。
このサイトでも、取引所選びに役にたつ情報を提供しています。

仮想通貨取引所が提供している「販売所」「取引所」といった取引サービスの方式の違いに関しては以下の記事にまとめています。

仮想通貨取引サービス「販売所」と「取引所」の違い 各社の提供サービス比較

仮想通化取引所が提供しているレバレッジ取引やFX取引のような信用取引については、以下でまとめています。

仮想通貨信用取引(レバレッジ、FX)の基礎知識を解説 交換所比較

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仮想通貨取引所のBTC/JPYの取引板の厚さを、実測で比較しています。

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