ビットコインキャッシュハードフォーク BTCABC vs BTCSVその後どうなった? そして私のBCHは…

2018年11月15日(日本時間16日未明)の、ビットコインキャッシュのハードフォーク…
なかなかおもしろかったですよね。

私は、急遽ビットコインキャッシュを買って、当事者気分。
リングサイドで観戦モードでした。

当初は、特に面白いニュースも流れてこず、
2つの通貨に分かれて、平和に終わりかなあ…

って感じだったのですが、「僕がSatoshi Nakamotoなんだよ。」のCraigさんの登場で事態は一気に緊迫。
ビットコインキャッシュのチェーンの取り合いで、ハッシュウォーに…

いやあ、やっぱりキャラが立ってる人が出てくると、おもしろくなる。

結果、ビットコインキャッシュはABCとSVに分かれ、双方別々のチェーンが作り続けられています。

どちらもまだまだ意地を張り続けているようで、それぞれの陣営が赤字を垂れ流しながらマイニングを続けていますすが、双方そろそろ疲弊気味。
落としどころを探り始めている模様です。

この記事では、今回の一件のハードフォーク後の成り行きと、私のBCHがどうなったかについて、お話します。

なお、通貨の名称が長い、かつ、似ており混乱するので、以下の略語を使います。

  • ビットコイン → BTC
  • ビットコインキャッシュ → BCH
  • ビットコインキャッシュABC → BCHABC あるいは ABC
  • ビットコインSatoshi’s Vision → BCHSV あるいは SV

今回のハードフォークはどういうもの?

仮想通貨のハードフォークって何?

仮想通貨は、ネットワーク上の多くのノードで動作するソフトウエアシステムです。
通常のソフトウエア同様に、機能の追加や改善のために、アップグレードが必要になります。

ハードフォークは、仮想通貨や通貨を支えるブロックチェーンをアップグレードする方法の一つです。

あらかじめ指定された日時に、ブロックチェーン中の指定されたブロックから、使用するシステムを変更し、新しい通貨、新しいチェーンに切り替えます。

これまでに、多くの通貨が、ハードフォークによるアップグレードを行っています。

たとえば、イーサリアムは、ハードフォークによるアップグレードを計画的に行い、機能を向上していく通貨です。

仮想通貨イーサリアムのハードフォーク『コンスタンチノープル』が来年1月に延期

今回のBCHのハードフォークでは、BCHのコミュニティ内で、ハードフォークによる機能強化の方針でもめた結果折り合いがつかず、ハードフォークによって、BCHABCとBCHSVという2種の通貨、2種のブロックチェーンに分岐してしまったのでした。

ビットコインキャッシュってどんな通貨?

BCH自身、2017年8月1日にビットコインからハードフォークして出来上がった通貨です。

ハードフォークをすることになった原因は、BTCの取引処理能力の限界でした。
BTCでは、1秒間に数取引しか処理できません。
原因は、ブロックチェーン中のブロックサイズの上限が1MBであること。

これに対して、BTCを支えていたコミュニティの一部が、ブロックサイズの拡大を計画し、既存のビットコインに影響がないよう、ハードフォークによってBCHという新しい通貨を作って、実現しました。

また、ハードフォーク時に、ハードフォーク時点でのBTCの保持者に対して、同じ枚数のBCHを配布しました。
ハードフォーク前のBTCのブロックチェーンはBCHのチェーンでもありますので、配布しなければ、BCHのチェーンと実際の通貨の分布に矛盾が出てしまうからです。

この時点から、BTCのブロックチェーンと、BCHのブロックチェーンは分かれ、併存しています。

上記のような経緯ですから、BTCとBCHは、よく似ています。

通貨の発行上限は、ともに2100万枚
コンセンサスアルゴリズムは、同じProof of Work
マイニングに使用するハッシュも同じSHA256
マイニング報酬の半減期も同じです。

BCHも、もとはハードフォークによってできた通貨なわけです。
このあたりの話は、以下でも書いていますので、お時間があれば…

ビットコインキャッシュ BTCの派生通貨は本家を超えられるか?【アルトコイン 次に何買う?(2)】

今回のハードフォークで最も目立ったのはCraigさん

今回のハードフォークは、BCHを支えるコミュニティ内での内紛が発端です。

ビットコインABC側とビットコインSatoshi’s Vision側で、BCHの機能拡張の路線対立がありました。
折り合えないまま、11月15日のハードフォークを迎え、それぞれがBCHのチェーンにつながる別のチェーンを作り、相手のチェーンを認めないという状態となりました。

このあたりの経緯は、マキさんの記事で丁寧にまとめられています。

ビットコインキャッシュ(BCH)ハードフォーク、BCHABCとBCHSVの関係、HFの経緯・今後の予想について【まとめ】

今回のモメ事のハイライトは、なんといっても「僕がSatoshi Nakamotoなんだよ。」のCraig Steeven Wrightさんの登場でしょう。
彼は、BCHSV側の主導的立場にありますが、BCHABC側をサポートしていたBitcoin.comRoger Verさんに、脅しのような強烈なメールを送っています。

Rogerさんは、以下の動画でCraigさんからのメールの内容を公開しています。
動画を見るとRogerさんの困惑ぐあいがよくわかる…

そしてこれが問題のメール。

Craig Steeven Wrightからのメール

内容は…

もし君が戦争を望むなら…

2年間はトレードしない。何もなしだ。

戦争中は、トレードできるコインはゼロだ。

もし君がABCがほしいなら、shitコインがほしいなら、ようこそ破産の道へ

君のことがわかってよかったよ。

ビットコインはABCがつまらないことをしている間に消える。 今後2、3年間、BCHのトレードはゼロだろう。ちがうかい?

ABCのサイドについた君はビットコインを憎んでる、つまり私の敵だ。それが何を意味するか、きみはわかっちゃない。

でも、今にわかる。

私が、サトシだ。良い人生を。私が怒ったらどうなるか君にもわかるさ。

君はこの事態を防ぐことができたんだよ。これは君が選んだことだ。

こんなメール、もらいたくないなあ…

少なくとも私は、Craigさんとは友達にはなれない気がします。

そしてハードフォークはハッシュウォーへ…

前評判ではABC側への賛同者が多く、ABC側の圧勝で終わるかと思われていました。
しかし、SV側が大手のマイナーの引き入れに成功し、優位に立ったとの観測が出てから、自体は混とんとしていきました。

通貨の分裂による新たな通貨の配布を狙って、一時は1BCH = 7万円まで上がっていたBCHの値段も、6万円を切るところまで落ち込んでいきます。

BCH/JPYの価格推移

そして、11月15日、ハードフォークの当日を迎えます。

ハードフォークが起こったのは、556767番目のブロックから。
そこから、ABCとSVで別のブロックチェーンを作っていきます。
ハードフォーク直前には、SVが優位と見られていたハッシュレートは、蓋を開けてみればABC側が優勢。

しかし、どちらも決定的なハッシュレートを握ることができず、その結果、お互いのチェーンの生成を邪魔するような目立った攻撃もなく、556766番目までの既存のBCHのチェーンを共有する、2つの通貨が誕生したのでした。

このあたりの状況は、CoinPostの記事にくわしい。

ビットコインキャッシュのハードフォークで通貨分裂を確認|今後の仮想通貨価格と展開は?

その後も、双方独自のチェーンを作り続けています。

この辺りは、BCHABC側とBCHSV側の双方を並べてみることのできる、CoinDanceを見るとよくわかります。

以下は、CoinDanceから引用したABCとSVのブロックチェーンの状況です。
2018年11月30日の状態です。

ハードフォーク直後のABCとSVのブロックチェーンの状況

ABC側が558687番目、SV側が558658番目までチェーンを伸ばしています。

ハッシュレートは現在拮抗していますが、ネットワークに参加しているノードの数は、ABC側が大きくリードしているようです。

ハードフォークしてからのハッシュレートの変遷も、ConinDanceに掲載されています。

ハードフォーク直後のABCとSVのハッシュレート推移

黄色がABC、赤がSVのハッシュレートです。

全体としてはABC側が優位に展開しているようですが、決定的な優位を取り切れてはいません。

なにより顕著なのは、双方の陣営ともハッシュレートが右肩下がりなこと。

実は、双方ともに赤字を出しながらマイニングを続けており、そろそろ息切れ。
ハッシュウオーの終結を模索しているようです。

ビットコインSV、仮想通貨暴落の要因「ハッシュ戦争」の終了を宣言|BSVは時価総額7位にランクイン

さて、私のBCHはどうなったか…

さて、この記事の冒頭でお話ししたように、私個人は、事の成り行きをリングサイドで観戦するため、事前に多少のBCHを購入し、ハードフォークを待ったのでした。

もちろん、ハードフォークによって新しい通貨ができたなら、それが配布されるに違いないという、欲深な考えもアリアリで…

だって、BTCとBCHの分裂の時も、BTCの保持者にBCHが配られたし…
その時も、BCHにもちゃんと値がついた。

そんなこんなで、BITPointで、BCHの現物を少しだけ買いました。

しかし、ハードフォークに対する国内の仮想通貨交換所の方針が煮え切らない。

ハードフォークが近くなったらBCHの取引停止、その後は様子見

って感じ…
これじゃあつまんない!!

で、海外の交換所に目を向ける…
新通貨ができたときに一番積極的に対応してくれそうなのがBinance

そこで、保有しているBCHを、BITPointからBinanceに移しました。

仮想通貨を国内BITPointから海外Binanceに送金 やってみたらすこぶる簡単!!

私と同じようなことを考える欲張りが多かったらしく、一時は1BCH = 7万円を超えるまでに上がりました。
が、その後のゴタゴタで先行きが不透明になり、価格は下落傾向…

そしてハードフォークです。
11月16日の昼(日本時間)には、Binanceで、BTCABCおよびBTCSVの両方にBCH分が配布されていることを確認しました。

BCHABC、BCHSVともに値段も無事につきました。

よしよし、計算どおおおり

誤算は、ハードフォークの後の仮想通貨全体の落ち込みですね。
BCHABCとBCHSVの値段を足しても、BCHを買ったときの値段よりずっと少ないのが、現状です。

でもまあ、これは相場ですから、今後もどうなるかはわかりません。
一喜一憂するのは馬鹿らしい。

それよりも、ちょっとBCHを買っただけで、今回のハードフォークを10倍楽しめたので、良しとしましょう。