ビットコインの送金手数料は取引データのサイズで決まる!!【仮想通貨小耳ネタ】

ビットコインは、銀行とかを介さないPeer 2 Peerだから、送金手数料は安い!!

以前は、ビットコインのメリットの一部として、よく聞いたフレーズです。

しかし、2017年末の仮想通貨の盛り上がりの際は、送金手数料が高騰し、問題になりました。

参考 ビットコインの送金手数料が高騰 取引所では0.001BTC~0.002BTCが平均にビットコインラボ

ブームが収まった2018年9月の現時点では、送金手数料は低めに抑えられていますが、また仮想通貨の盛り上がりが来て、手数料が高騰する可能性はないのでしょうか?
そもそも、どうして手数料の変動が起こるのでしょうか?

考察してみました。

ビットコインの送金手数料は、誰のためのお金?

ビットコインの送金手数料は、誰のためのお金か?
結局誰がもらっているんだろうか?

答えは、日々ブロックをつなげチェーンを伸ばしているマイナーの皆さんです。
参考)ブロックチェーンとマイニングの関係については、以下参照。


ハッシュの崩壊はビットコインの崩壊?【仮想通貨技術解説】

マイナーはマイニングに成功した際に、報酬として新たに発行されたビットコインがもらえます。
2018年9月現在では、この報酬は1ブロックあたり12.5BTC。

でも、この12.5BTC以外に、ブロック中の個別の取引に付随している送金手数料を合わせたものが、マイナーの手に入ります。

ブロックの中をのぞいて見ましょう。
今日はこちらのサイトから、ブロックチェーンを観察します。

参考 BlockChain ExplorerBLOCKCHAIN

これは542,664番目のブロックです。

BTC 542,664番目のブロック

左下のほうに、ブロック報酬 12.5BTCとあります。
これが、マイニングによって新たに発行されたビットコインの額です。

左の真ん中あたりに、推定取引量 856.79188872 BTCとあります。
これが、このブロック内に含まれている取引で、取引されたビットコインの総額です。

推定取引量の下に、取引手数料 0.23764198 BTCとあります。
これがこのブロック内に含まれている取引の手数料、つまり、ビットコインの送金手数料です。

このブロックをマイニングしたマイナーは、このマイニングの報酬として、
ブロック報酬 12.5BTC + 取引手数料 0.23764198 BTC
= 12.73764198 BTC

を稼いでいます。

ブロックの取引手数料は、ブロックに含まれる個々のビットコイン取引に設定されている手数料の総和です。

以下は、542,664番目のブロックに含まれる取引のひとつです。

BTC 542,664番目のブロックに含まれた取引

内容は…

1HDY…のアカウントから8.8124BTCを取り出し、

3QHV…のアカウントへ0.0584BTC 送金
1EGD…のアカウントへ8.7535BTC 送金
このときの手数料は、0.0005BTC

最初のアカウントから取り出した額と、送金額+手数料額が一致してますね。

この取引の送金手数料は0.0005BTCでしたが、先ほどの542,664番目のブロックに含まれる全取引の平均送金手数料は0.00011BTCでした。

ビットコイン取引の送金手数料は、どうやって決まる?

取引実行者は、安い送金手数料を望む

個々の取引の手数料額を直接決定しているのは、取引を行った人です。
取引例1では、1HDY…のアカウントの人です。

この取引では手数料は0.0005BTCでしたが、もともと

いくらでなければいけない

とか

何%でなければいけない

とか、そういう決まりはビットコインにはありません。
そういう決まりを作る央集権な誰かがいるのが嫌だ、というのがビットコインですから。

可能な限り、安い送金手数料で取引を実行しようとします。

って、いくらでも安くできるかといえば、そうではありません。

マイナーは手数料の高い取引をブロックに組み込む

取引は、マイナーによってブロックに組み込まれ、マイニングにより、ブロックチェーンに連結されなければ成立しません。

マイナーは、もちろん送金手数料の高い取引を選んで、ブロックに組み込みます。
手数料の安い取引は避けてマイニングします。

その結果、手数料の高い取引は、早くブロックチェーンに組み込まれて取引が成立し、手数料の安い取引は、成立まで長い時間がかかることになります。

取引の実行者が、早く取引を成立させたいのであれば、高い送金手数料を指定しなければなりません。

結局、送金手数料は、

安く送金したい取引実行者と
高い送金手数料の取引を選んでマイニングしたいマイナー
の間の需給関係

で決まります。

ブロックチェーンの容量制限が、送金手数料を押し上げる

ビットコインでは、ブロックチェーンに組みこむことができる取引の数が、制限されています。
このことがさらに、送金手数料を押し上げる原因となっています。

ビットコインでは、1時間にマイニングに成功する回数がほぼ決まっています。
マイニングの難易度は、平均して10分に1回成功するよう常に調整されています。
全世界のマイナーが必死に作業しても、マイニングに成功するのは1時間に平均6回。
新しくチェーンにつながるブロックも、1時間に平均6回です。
マイナーの数が倍になろうが、マイニング技術に革新が起ころうが、ここは変わりません。

また、ブロック1個に含まれる取引データのサイズは、最大1Mバイトに制限されています。

マイニングによってブロックチェーンに組み入れることができる取引の数は有限なのです。

ビットコインの使用が活発になると、

ブロックサイズ1MB × 1時間に6ブロック

の中ですべての取引を処理することができなくなります。
そうなると、マイナーの立場がより優位となり、送金手数料は高騰します。

実際、2017年末のビットコインの盛り上がりの際には、処理できる取引数の限界が問題となりました。

以下は、ブロックのサイズの平均の変遷のグラフです。

ブロックサイズ平均の変遷

参考 BlockChain Average Block SizeBLOCKCHAIN

2018年9月現在、ブロックの平均サイズは0.7~0.8MBです。

これに対して、2017年11月から2018年2月の間は、1MB前後で張り付いています。
このころは、送金手数料が高騰し、手数料の設定が少ない取引はいつまでたっても成立しない、という事態になりました。

送金手数料は、取引データのサイズで決まる?

面白いのは、取引によって移動するビットコインの額と、送金手数料の額が、全く関係ないということです。
なぜなら、取引金額の大きさは、マイニングによって得られる報酬となんの関係もないからです。

ですので、現在では、送金手数料の実質的な相場は、取引データのサイズによって決まっています。
その相場を見ることができるのが、以下のサイトです。

参考 PREDICTING BITCOIN FEES FOR TRANSACTIONSEarn Bitcoin

ここを開くと、以下のようなページが出ます。

送金手数料の実質的な相場

左側の数字は、取引データ1バイトあたりにどのぐらいの手数料を設定するかをSatoshiを単位として書いてあります。

このグラフの上のほうを見てみると、

1バイトあたり1-2satoshiの手数料とした場合、
多くの取引が、ブロックに組み込まれるのを待たされる可能性がある。
取引が成立するまでに最大8ブロック分のマイニングを待つ必要があり、
待ち時間は最大180分である。

といったことがわかります。

また、

1バイトあたり20satoshi以上の手数料を設定すれば、
長く待つことなく取引が成立する

ということもわかります。
最も単純な取引のデータサイズが約230バイト程度ですので、

20satoshi × 230byte = 約4,600satoshi

程度の送金手数料とすべきだということになります。
1BTC = 1,000,000円として、4,600satoshi = 46円です。

これから、送金手数料は上がる?

中長期的に見れば、ビットコインの送金手数料は上がることが予想されます。

ブロックチェーンの容量制限の問題は、まだ残ったまま

ブロックサイズの制限からくる、処理可能な取引量の制限の問題は、まだ残っています。

segwitの導入により、ある程度の改善は見込めますが、1ブロック当たりの取引量が1.7倍になった程度です。
2017年度末を超える仮想通貨の盛り上がりが来れば、やはり送金手数料の高騰を招くことが予想されます。

また、中長期的に世界経済の重要な部分をビットコインが担うのであれば、はなはだ脆弱であると言わざるを得ません。

4年毎にマイニング報酬の半減が手数料を押し上げる

ビットコインの仕組み上、マイニング報酬は4年毎に半減します。

ビットコインの半減期って何? 相場への影響は?【仮想通貨技術解説】

マイニング報酬の中の新規発行ビットコインの比率が下がっていきますので、マイナーは、徐々に送金手数料を当てにするようになります。

今やマイニングは、大規模な投資がなければペイしないビジネスとなっており、マイニングの損益分岐点を超えるだけの収入を確保することが必須です。
必然的に、送金手数料は上がっていかざるを得ないことになります。
送金手数料が上がらなければ、力のないマイナーから順に退場していくことになり、ビットコインの凋落につながります。

まとめ

ビットコインの送金手数料は現時点では低く抑えられていますが、高騰する可能性は十分あります。
ブロックサイズの平均は現時点でも0.7~0.8MBまで来ており、今も大きな余裕がある状況ではありません。
取引量が倍になれば、送金手数料は上がってくるでしょう。

そうなると、レストランやコンビニでビットコインを使う、って感じではなくなります。
決済金額より手数料のほうが高い、なんてことになりかねません。

そうなると、日々の生活に使われる通貨というよりは、証券や金のような投資対象としての色がより強くなります。
なんだかつまらないものに成り下がっていくようで、寂しいですね。

そうならないことを、節に願っています。